国税庁のタックスアンサーを実際に確認してみると、相続税の申告期限と納付期限は原則として同じ日に設定されています。「申告は済んだが、支払いはまた別の期限がある」と思い込んでいる方も多いのですが、両方まとめて10ヶ月以内に完了させる必要があります。ただし、現金での一括納付が難しい場合は「延納」や「物納」という方法があり、それぞれ申告と同じタイミングで申請する必要があります。
申告期限と納付期限の基本
国税庁タックスアンサー No.4205(相続税の申告と納税)のページを開いてみると、申告書の提出と納付の両方について「相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内」と明記されています。
| 手続き | 期限 | 内容 |
| 申告書の提出 | 相続開始から10ヶ月以内 | 税務署に申告書を提出 |
| 相続税の納付 | 相続開始から10ヶ月以内 | 現金で税務署に納付(原則) |
| 延納申請 | 申告期限と同日 | 分割払いを希望する場合は同時に申請 |
| 物納申請 | 申告期限と同日 | 財産で納付する場合は同時に申請 |
同じページには「申告期限までに申告しても、税金を期限までに納めなかったときは、延滞税がかかる場合があります」とも記載されています。申告だけして納付が遅れた場合、延滞税が発生する点は見落としがちです。
現金がない場合の選択肢
延納(分割払い)
国税庁タックスアンサー No.4211(相続税の延納)のページを確認すると、相続税額が10万円を超え、かつ金銭での一括納付が困難であると認められる場合に、分割払い(延納)が申請できると記載されています。
| 延納の条件 | 内容 |
| 税額が10万円超 | 10万円以下は延納不可 |
| 現金一括払いが困難 | 財産状況から証明が必要 |
| 担保の提供 | 50万円超・延納期間3年超の場合 |
延納期間は最長20年(一般財産)、または最長5年(動産等)です。延納には利子税(1.0〜6.0%/年)が発生します。
物納(財産そのもので納付)
延納でも金銭での納付が難しい場合の選択肢として、国税庁タックスアンサー No.4214(相続税の物納)のページには、財産そのもので相続税を納付できる制度が解説されています。同ページには物納できる財産の優先順位も定められています。
| 物納できる財産の優先順位 | 例 |
| 第1順位 | 不動産・船舶・国債・地方債・上場株式 |
| 第2順位 | 非上場株式 |
| 第3順位 | 動産 |
物納する財産の価値は「相続税評価額」で評価されます(時価とは異なる場合あり)。
期限を過ぎた場合のペナルティ
国税庁のページを調べてみると、申告・納付が期限に遅れた場合のペナルティは次のように整理されています。
| ペナルティ | 発生条件 | 税率 |
| 無申告加算税 | 申告書を期限内に提出しなかった | 最大30%(自主申告なら5%に軽減) |
| 延滞税 | 納付が期限に遅れた | 最大14.6%/年 |
| 過少申告加算税 | 申告額が少なかった | 10〜15% |
【事例】石田さん(65歳・兵庫県在住)の場合
相続した不動産が多く、現金が少ない石田さん。10ヶ月の期限内に現金で一括払いするのが難しく、延納申請を行いました。「延納を申請した結果、毎年少しずつ払える見通しが立った。申告の際に税理士に相談して助かった」とおっしゃっていました。
よくある質問
Q. 延納中に財産を売却することはできますか?
はい。延納中でも財産の売却は可能です。売却資金で残りの相続税を繰上返済することもできます。
Q. 物納した場合、その財産は税務署のものになりますか?
はい。物納した財産は国が取得します。後で買い戻すことはできません。
Q. 申告期限内に申告したが納付が遅れた場合はどうなりますか?
申告は無申告加算税なし、ただし納付遅延の分だけ延滞税が発生します。
まとめ
国税庁タックスアンサー No.4205を確認すると、相続税の申告期限と納付期限は原則として同じ(相続開始から10ヶ月以内)と記載されています。現金での一括払いが難しい場合は、No.4211(延納)またはNo.4214(物納)に定められた条件を満たすかどうかを確認したうえで、申告と同時に申請する必要があります。期限を過ぎると加算税・延滞税が発生するため、資金が足りない場合は早めに税理士に相談することをおすすめします。
関連記事
- [相続税の申告期限はいつまで?]
- [相続税申告の期限を過ぎたらどうなる?]
- [相続税申告を税理士に頼む費用]
—
最後まで読んでいただきありがとうございます。
相続税の問題は、知っているかどうかだけで、結果が大きく変わります。
難しい制度のなかで、正しい情報を手に入れることがどれほど大切か、
日々の記事執筆を通じて痛感しています。
この記事が、あなたの生活を少しでも楽にするきっかけになれば嬉しいです。
これからも、あなたの生活防衛に役立つ情報を発信し続けます。
—



コメント