成年後見の申立費用はいくら?毎月の報酬・専門家費用・支援制度まで完全解説

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「そろそろ後見人を立てなければ」と思いながら、費用がいくらかかるのか不安で動けていませんか。

ハンコロンと一緒に学ぶ 成年後見 申立費用

成年後見制度は、申立にかかる費用だけではありません。制度を利用し始めた後も、毎月の後見人報酬が数万円ずつ積み重なり続けます。 知らないまま動き出すと、後になって「こんなにかかるとは思っていなかった」と後悔することになります

この記事では、申立時の初期費用から毎月の報酬・専門家への依頼費用・費用を抑える支援制度まで、全体像を一枚の地図としてお伝えします。読み終えたら、自分のケースに必要な費用の目安がはっきり分かります。


  1. なぜ成年後見の費用はこんなに分かりにくいのか
  2. 成年後見の申立にかかる費用の全体像
    1. 申立時にかかる主な費用(初期費用)
    2. 鑑定費用:見落としがちな高額コスト
    3. 後見人への毎月の報酬:長期でみると大きな金額になる
  3. 専門家(弁護士・司法書士)に申立を依頼した場合の費用
    1. 専門家に頼む場合の費用相場と内訳
    2. 司法書士と弁護士、どちらに依頼すべきか
    3. 専門家を選ぶ3つのポイント
  4. 費用が払えない場合の支援制度
    1. 成年後見制度利用支援事業
    2. 法テラスを使った費用立替制度
  5. 【事例】山本さん(71歳・神奈川県在住)の場合
  6. あなたにできる4つのステップ
    1. ステップ1:費用の概算を自分で計算する(所要時間:30分・費用:無料)
    2. ステップ2:地域包括支援センターに電話する(所要時間:15分・費用:無料)
    3. ステップ3:専門家に相談・見積もりを取る(所要時間:1〜2時間・費用:無料〜5,000円)
    4. ステップ4:家庭裁判所に申立書類を提出する(所要時間:審理1〜3か月・費用:1〜3万円)
  7. よくある質問
    1. Q. 自分で申立すれば費用を安くできますか?
    2. Q. 後見人の報酬は家族が払うのですか?
    3. Q. 後見人を途中で変えることはできますか?
    4. Q. 成年後見制度を使わないとどうなりますか?
    5. Q. 申立から後見が始まるまでどのくらいかかりますか?
  8. まとめ
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なぜ成年後見の費用はこんなに分かりにくいのか

成年後見制度は、1999年(平成11年)に改正法が成立し、2000年4月1日に施行された制度です。認知症や知的障害などで判断能力が低下した方の財産を守るために、後見人が代わりに手続きを行う仕組みです。

本来、利用を考えている人が一か所で「費用はこれだけかかります」と把握できるよう、国や裁判所がガイドを出すべきです。しかし現実は、申立費用は裁判所のウェブサイトに、後見人報酬の相場は各家庭裁判所の内部基準に、専門家報酬は事務所ごとにバラバラ——情報が散在しています。

知らないままでいると、開始後に想定外の費用に驚く事態になります。 でも事前に全体像を把握しておけば、資金計画を立てて安心して制度を利用できます。

裁判所のデータでは成年後見関係事件の申立件数は年々増加しており、2024年には年間41,841件にのぼります。多くの方が同じ疑問を抱えながら手続きをしているのが現状です。知っている人だけが損をしない設計になっているのは、明らかにおかしいと感じます。でも、この記事を読んだあなたにはその心配はいりません。

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成年後見の申立にかかる費用の全体像

申立時にかかる主な費用(初期費用)

申立の際に家庭裁判所に納める費用は、大きく5種類あります。

費用の種類 金額の目安 備考
収入印紙(申立手数料) 800円 成年後見・保佐・補助いずれも同額
登記手数料(収入印紙) 2,600円 後見登記の嘱託に必要
郵便切手代 後見開始:約4,200円/保佐・補助:約5,360円 東京家庭裁判所の例。他の裁判所は要確認
医師の診断書費用 3,000〜10,000円 かかりつけ医・精神科医に依頼
戸籍謄本等の取得費用 1,000〜5,000円程度 本籍地が遠い場合は増える

これらの合計はおよそ1万〜3万円程度です。印紙代の部分は思ったより少ないと感じる方が多いでしょう。

ただし、書類の種類は多いです。本人の戸籍謄本・住民票・診断書のほか、申立人・後見人候補者それぞれの戸籍や住民票、財産に関する資料(通帳のコピー・不動産登記事項証明書など)まで、揃えるべき書類は10〜20種類に及ぶことも珍しくありません。書類集めの手間と時間も、費用の一部として考えておく必要があります。

鑑定費用:見落としがちな高額コスト

鑑定とは、家庭裁判所が本人の判断能力を確認するために、医師に依頼する手続きです。すべての申立で必要なわけではなく、家庭裁判所が「鑑定が必要」と判断した場合にのみ発生します。

鑑定の区分 費用の目安 主な対象ケース
鑑定省略 0円 診断書の内容が十分・症状が明らかな場合
鑑定あり(実額は幅がある) 5万円以下〜20万円程度 裁判所が必要と判断した場合。裁判所案内では10万〜20万円程度が目安

2024年の最高裁判所の概況によると、鑑定実施率は全体で約3.8%です。多くのケースで鑑定は省略されますが、成年後見の申立(判断能力がほとんどない状態)と比べ、保佐や補助の申立(ある程度判断能力が残っている状態)ではより検討されやすい場面があります。

鑑定費用を抑えるための実践的なポイントが一つあります。主治医に「成年後見の申立に使う診断書です。判断能力の状態を詳しく記載してください」と事前に伝えることです。診断書の内容が充実していれば、家庭裁判所が「これで判断できる」と判断して鑑定を省略するケースが増えます。申立前に主治医としっかり話し合っておくことが、費用節約につながります。

後見人への毎月の報酬:長期でみると大きな金額になる

申立が完了し、後見が開始されると、後見人への報酬が毎月発生します。ここが、多くの方が最初に見落とすポイントです。費用の「一時払い」より「毎月の積み上がり」の方が総額として大きくなる——これが成年後見費用の本質的な構造です。

報酬額は家庭裁判所が決定します。管理する財産の額と、後見人の活動内容によって変わります。

管理財産の規模 月額報酬の目安 年間の目安 10年累計の目安
1,000万円未満 月額2万円程度 約24万円 約240万円
1,000万〜5,000万円未満 月額3万〜4万円程度 約36〜48万円 約360〜480万円
5,000万円以上 月額5万〜6万円程度 約60〜72万円 約600〜720万円

※上記は専門職(弁護士・司法書士・社会福祉士)が後見人に選任された場合の目安です。家庭裁判所の「成年後見人等の報酬額のめやす」(東京家庭裁判所)に基づく参考値です。

身上保護(施設入所の調整・医療の同意など)が複雑なケースでは、上記に加えて追加報酬が認められる場合があります。

報酬は本人の財産から支払われます。家族が別途持ち出す必要はありません。ただし、本人の財産が年金のみで少額の場合は、毎月の報酬負担が財産を圧迫する可能性があります。その場合は後述の支援制度の確認が必要です。

親族が後見人に選任された場合、報酬を受け取るかどうかは申請次第です。申請しなければ無報酬で構いませんが、業務量に応じて申請すれば専門職と同様に報酬が認められます。

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専門家(弁護士・司法書士)に申立を依頼した場合の費用

専門家に頼む場合の費用相場と内訳

申立書類の作成や手続きを自分で行うことは可能ですが、書類の種類が多く、家庭裁判所ごとに書式が異なる場合もあります。専門家に依頼する場合の費用相場を確認しておきましょう。

依頼の種類 主な専門家 費用の目安
申立書類の作成代行のみ 司法書士 8万〜15万円程度
申立代理人として全面サポート 弁護士 15万〜30万円程度
後見人に就任してもらう場合(月次) 司法書士・弁護士 月額2万〜5万円(財産規模による)

これらの費用は、申立時の印紙代・切手代などとは別に発生します。専門家に依頼する場合の初期費用は、書類作成代行と実費を合わせて15万〜35万円程度が一つの目安です。

司法書士と弁護士、どちらに依頼すべきか

司法書士への依頼が向いているケース:

  • 親族間で対立がなく、書類のサポートだけ欲しい
  • 費用をできるだけ抑えたい
  • 地元の事務所と長期的な関係を築きたい

司法書士は「書類の作成と提出の手続き」を担います。弁護士に比べて費用が抑えやすく、多くの方にとって最初の相談先として適しています。

弁護士への依頼が向いているケース:

  • 家族間でもめていて、申立に反対する親族がいる
  • 本人の財産をめぐって紛争が生じている可能性がある
  • 急いで手続きを進める必要がある

弁護士は家庭裁判所での手続きを「代理人」として行えます。家族間のもめごとがある場合や、法的な判断が必要な場面では弁護士の方が安心です。

専門家を選ぶ3つのポイント

専門家選びで後悔しないための3つの確認事項を押さえておきましょう。

1. 初回相談が無料かどうか:費用感と事務所の対応を事前に確かめてから契約できます。ほとんどの司法書士・弁護士事務所が初回無料相談を提供しています

2. 成年後見の実績が豊富かどうか:後見関係の書類作成に慣れているか、地元の家庭裁判所との関係がスムーズかを確認しましょう

3. 費用の内訳を明示してくれるか:「総額○○万円」のみの提示ではなく、着手金・書類作成費・実費の内訳を項目別に出してくれる事務所を選びましょう。費用の中身が分からないまま契約するのは危険です


費用が払えない場合の支援制度

成年後見制度利用支援事業

経済的な理由で費用負担が難しい方のために、市区町村が申立費用や後見人報酬の一部を助成する制度があります。国の制度ではなく、各市区町村が独自に設けているため、内容は自治体によって大きく異なります。

主な対象者の目安(市区町村によって異なります):

  • 住民税非課税世帯の方
  • 生活保護受給者
  • 費用負担が困難と市区町村が認めた方

申請窓口は、お住まいの市区町村の地域包括支援センターまたは福祉担当窓口が一般的です。

最初のアクションとして推奨するのは、地域包括支援センターへの電話です。「成年後見制度の利用を考えているが、費用の支援制度があるか知りたい」と伝えるだけで、自治体の制度案内と必要に応じた相談につないでもらえます。「うちの地域には制度がない」という場合も、後述の法テラスの案内をしてもらえることが多いです。

費用が心配で制度利用をためらっている方は、最初にこのステップを踏んでください。

法テラスを使った費用立替制度

弁護士・司法書士への費用を立て替えてもらえる制度として、「法テラス」(日本司法支援センター)があります。

  • 一定の収入・資産要件を満たす方が対象
  • 審査が通れば、弁護士・司法書士費用を分割返済できる(返済額は資力・事件内容により個別に設定)
  • 生活保護受給者は、費用が免除される場合がある
  • 相談電話:0570-078374(法テラス・サポートダイヤル)

収入の条件は「単身者は月収18.2万円以下」などの目安がありますが、家族構成によって変わります。詳細は法テラスに直接確認してください。


【事例】山本さん(71歳・神奈川県在住)の場合

山本さんは、92歳のお父様が認知症で施設入所が決まったタイミングで、成年後見制度の利用を検討し始めました。

お父様の財産は、神奈川県内の自宅(査定額約2,200万円)と預貯金約800万円。親族(山本さんを含む兄弟3名)で後見人を立てようとしましたが、不動産の扱いをめぐって兄弟間で意見が分かれ、調整がつかない状態になりました。

悩んだ末に地元の司法書士事務所に相談したところ、書類作成を依頼することになりました。費用の内訳は、司法書士への書類作成報酬が12万円、申立に必要な印紙・切手・診断書・戸籍謄本取得費用が合わせて約3万円で、初期費用の合計は約15万円でした。

お父様の症状は認知症の診断が明確で、診断書も充実した内容で作成してもらえたため、鑑定は不要と判断されました。鑑定費用がかからなかったのは大きかった、と山本さんは話しています。

申立から約2か月後に審判が確定し、司法書士が後見人に選任されました。管理財産の合計が約3,000万円のため、月額報酬は月3万円。年間36万円、10年で累計360万円になる計算です。

「申立のことしか考えていなかったけれど、毎月の費用がこんなにかかるとは」と最初は驚かれた山本さん。でも、費用は本人の財産から支払われるため家族の負担はなく、専門家が財産を適切に管理してくれることへの安心感の方が大きい、と今は感じているそうです。


あなたにできる4つのステップ

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ステップ1:費用の概算を自分で計算する(所要時間:30分・費用:無料)

まず、自分のケースに当てはまる費用の目安を把握しましょう。

  • 申立時の印紙・切手・診断書・書類取得:1万〜3万円
  • 鑑定が必要かどうか:主治医に「診断書の内容で鑑定なしになる可能性はあるか」を確認する
  • 管理財産の規模:預貯金+不動産の合計を確認し、月次報酬の目安を計算する

落とし穴: 「書類集めは自分でできる」と思っていても、本籍地が遠かったり、財産の資料が整っていなかったりすると想定以上に時間がかかります。早めに専門家にセカンドオピニオンを求めておくと安心です。

ステップ2:地域包括支援センターに電話する(所要時間:15分・費用:無料)

費用の心配がある方は必ずこのステップを踏んでください。「成年後見制度の利用を考えているが、費用の支援制度について聞きたい」と伝えれば、自治体の制度の有無と申請方法を案内してもらえます。

落とし穴: 支援制度の内容は自治体によって異なります。「うちの地域にはない」と言われた場合は、法テラス(0570-078374)への相談を次のアクションにしてください。

ステップ3:専門家に相談・見積もりを取る(所要時間:1〜2時間・費用:無料〜5,000円)

地元の司法書士・弁護士事務所に相談します。初回相談無料の事務所が多いです。2〜3か所に相談して費用と相性を比べてから依頼先を決めることを強く勧めます。

専門家への依頼を考えているなら、都道府県の司法書士会または弁護士会のウェブサイトで「後見業務」の実績がある事務所を検索できます。

落とし穴: 費用の提示が「一括○○万円」だけで内訳を教えてもらえない事務所、または「急いで申立しないと」と急かしてくる事務所は慎重に判断してください。

ステップ4:家庭裁判所に申立書類を提出する(所要時間:審理1〜3か月・費用:1〜3万円)

書類が揃ったら、本人の住所地を管轄する家庭裁判所に申立を行います。審理期間は通常1〜3か月ですが、鑑定が必要な場合はさらに長くなります。

落とし穴: 申立後は原則として取り下げができません。「やはり別の後見人候補にしたい」「やめたい」となっても、家庭裁判所の許可が必要です。家族や専門家とよく話し合ってから申立に進みましょう。


よくある質問

Q. 自分で申立すれば費用を安くできますか?

はい、申立手続き自体は本人や家族が行うことができます。書類作成を自分で行えば、専門家費用(8万〜30万円)を節約できます。ただし、診断書の取得・書類収集・申立書の記載方法など、慣れていないと難しい場面もあります。「書類作成だけ司法書士にサポートしてもらい、提出は自分でやる」という折衷案も選択肢の一つです。不安がある方は最初に無料相談だけでも受けてみることをお勧めします。

Q. 後見人の報酬は家族が払うのですか?

後見人への報酬は本人の財産(銀行口座・年金など)から支払われます。家族が別途負担するわけではありません。ただし、本人の財産が少ない場合は市区町村の利用支援事業が使える場合があります。また、親族が後見人に選任された場合、報酬の申請をしなければ無報酬で構いません。

Q. 後見人を途中で変えることはできますか?

家庭裁判所が選任した後見人を家族の意思だけで変更することはできません。後見人が不正行為をした、健康上の理由でやめたい、といった正当な事情がある場合は、家庭裁判所への解任・辞任の申立が必要です。後見監督人が選任されている場合は、まずそちらに相談するルートもあります。

Q. 成年後見制度を使わないとどうなりますか?

認知症等で判断能力を失った方の財産を管理・処分するには、原則として後見人が必要です。後見人がいない状態では、銀行が預金の引き出しに応じなかったり、不動産の売却手続きができなかったりします。施設費や医療費の支払いが困難になるケースもあります。制度を利用しないことで生じるリスクと費用を天秤にかけると、多くのケースで制度利用の方が家族全体にとって安心につながります。

Q. 申立から後見が始まるまでどのくらいかかりますか?

家庭裁判所での審理期間は、鑑定なしで1〜2か月程度、鑑定ありで2〜4か月程度が目安です。書類の不備があると追加で時間がかかります。急を要するケース(本人が詐欺被害に遭いそうな場合など)は、家庭裁判所に事情を伝えることで審理を早めてもらえる場合があります。


まとめ

成年後見の費用は、大きく2つのフェーズで発生します。

  • 申立時の初期費用:印紙・切手・診断書・書類取得で1万〜3万円、鑑定が必要ならさらに5万〜20万円が追加
  • 制度開始後の継続費用:後見人報酬として月額2万〜6万円が毎月発生

専門家に依頼する場合は初期費用に8万〜30万円が加わりますが、書類の複雑さを考えると多くの方にとって依頼した方が安心です。費用の心配がある方は、まず地域包括支援センター(成年後見制度利用支援事業)または法テラス(0570-078374)に相談してください。

費用を総額で見ると大きく感じるかもしれません。でも、後見人が財産を守り、生活を支える安心感と比べると、多くの方が「利用してよかった」と感じています。まずは現状の費用概算を把握して、一歩ずつ前に進んでください。

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最後まで読んでいただきありがとうございます。

成年後見の問題は、知っているかどうかだけで、結果が大きく変わります。

難しい制度のなかで、正しい情報を手に入れることがどれほど大切か、

日々の記事執筆を通じて痛感しています。

この記事が、あなたの生活を少しでも楽にするきっかけになれば嬉しいです。

これからも、あなたの生活防衛に役立つ情報を発信し続けます。

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