成年後見制度の手続きと費用を解説!申立てから開始まで・毎月の後見人報酬の全体像

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「親が認知症になって財産の管理ができなくなった。成年後見制度って何をするもの?費用はいくらかかる?」

成年後見制度について実際に調べてみると、判断能力が低下した方の財産と生活を法的に守る仕組みとして機能している一方で、費用・手間・自由度については事前に把握しておかないと後悔するポイントが多い制度だということがわかります。最高裁判所事務総局家庭局が毎年公表している「成年後見関係事件の概況(令和5年版)」を開くと、申立て件数が年間約4万件に上っていることが確認できます。

申立ての流れ・費用・後見人報酬・注意点について、使う前に知っておくべき全体像をまとめました。

成年後見制度の2種類:法定後見と任意後見

裁判所公式サイト(courts.go.jp)で成年後見制度の概要を確認すると、大きく分けて2つの種類があることがわかります。

法定後見(法定後見制度):すでに判断能力が低下している方が対象。家庭裁判所に申立て、裁判所が後見人を選任します。

任意後見:まだ判断能力がある方が、将来に備えて自分で後見人を選んでおく制度。公正証書で契約します。

法定後見 任意後見
対象 判断能力が低下している方 判断能力がまだある方
後見人の選定 家庭裁判所が選ぶ 本人が選ぶ
開始 申立て後1〜3か月 判断能力低下後に発動
契約 不要 公正証書で契約(3〜5万円)

この記事では、利用者が多い「法定後見」を中心に確認していきます。

法定後見の3段階:後見・保佐・補助

裁判所の公式ページで法定後見の区分を確認すると、判断能力の程度によって3段階に分かれています。

種類 対象の判断能力 後見人の権限
後見 ほぼない ほぼすべての法律行為を代理できる
保佐 著しく不十分 重要な財産行為を同意・取り消せる
補助 不十分 一定の行為を同意・取り消せる

実際の手続き案内を確認すると、認知症の方の多くは「後見」または「保佐」に該当するケースが多く、主治医による鑑定書または診断書の内容をもとに裁判所が区分を判断します。

申立ての流れ:5ステップ

STEP 1:申立書と必要書類の準備

申立てできる人(申立権者):

裁判所が公表している「後見開始申立ての手引」を確認すると、申立てができるのは本人・配偶者・4親等以内の親族・検察官・市区町村長などとなっています。

必要書類:

書類 取得先 費用目安
後見開始申立書 裁判所HPからDL 無料
申立人・対象者の戸籍謄本 市区町村役場 各450円
対象者の住民票 市区町村役場 300円
医師の診断書(所定書式) 主治医 5,000〜1万円
財産目録・収支状況報告書 自分で作成 無料
預貯金通帳のコピー 本人の通帳 無料
不動産登記謄本 法務局 各600円

STEP 2:家庭裁判所への申立て

管轄は対象者(本人)の住所地を管轄する家庭裁判所です。

申立費用:

  • 収入印紙:800円
  • 切手代:3,000〜5,000円程度(裁判所ごとに異なる)
  • 鑑定費用(裁判所が鑑定を必要と判断した場合):5万〜10万円程度

STEP 3:裁判所の調査

東京家庭裁判所後見センターが公表している手続き案内を開くと、申立て後は家庭裁判所の調査官が対象者(本人)と面談し、判断能力の状態を確認することが記載されています。必要に応じて精神科医などによる「鑑定」が行われます。

STEP 4:後見人候補者の審査

申立書に後見人候補者を記載できますが、裁判所が必ずその候補者を選ぶわけではありません。 最高裁判所事務総局家庭局「成年後見関係事件の概況(令和5年版)」で選任傾向を確認すると、財産が多い場合や複数の相続人がいる場合、弁護士・司法書士などの専門家が後見人に選ばれるケースが多いことがわかります。

STEP 5:後見開始の審判と就任

裁判所の手続き案内を確認すると、申立てから通常1〜3か月で審判が出るとされています。後見人は就任後すぐに財産目録を作成し、裁判所に提出します。

成年後見の費用:初期費用と継続費用

初期費用(申立てにかかる費用)

項目 費用目安
収入印紙・切手代 4,000〜8,000円
医師の診断書 5,000〜1万円
各種書類の取得費用 3,000〜5,000円
鑑定費用(必要な場合) 5〜10万円
司法書士・弁護士報酬(依頼時) 10〜20万円
合計(自分で申立て) 1〜2万円程度
合計(専門家依頼) 10〜30万円程度

継続費用(後見人報酬:毎月)

東京家庭裁判所が公表している「成年後見人等の報酬額のめやす」を開くと、後見人報酬は家庭裁判所が管理財産額(預貯金および有価証券等の流動資産の合計額)をもとに決定する仕組みになっていることが確認できます。目安は以下の通りです。

管理財産額 月額報酬の目安
1,000万円未満 月2〜3万円
1,000〜5,000万円 月3〜4万円
5,000万円超 月5〜6万円

これが本人が亡くなるまで続きます。10年間続けば240〜720万円に達します。

成年後見制度の「使いにくさ」を知る

不動産の売却に裁判所の許可が必要

裁判所の資料を確認すると、本人が住んでいた自宅(居住用不動産)の売却は、裁判所の許可なしにはできないことが記載されています。許可の申請から取得まで数か月かかることもあります。

相続税対策ができない

東京家庭裁判所後見センターが公表している後見人向けハンドブック(令和2年4月版)を確認すると、後見人の職務は「本人の財産の保全」であることが明示されています。積極的な相続税対策(生前贈与・不動産の組み換えなど)は原則として行えません。

一度始めると止められない

裁判所の手続き案内を確認すると、後見は本人が亡くなるまで(または回復するまで)続くことが記載されています。「費用が高いから止めたい」という理由では、基本的に取り消せません。

家族でも後見人の報酬が発生する場合がある

東京家庭裁判所が公表している「成年後見人等の報酬額のめやす」を確認すると、家族が後見人になった場合も、裁判所の判断で報酬が発生することがあると記載されています(月1〜2万円程度)。

【事例】山本さん(67歳)が知っておけばよかったこと

山本さん(67歳・愛知県在住)は85歳の父親が認知症になったタイミングで、知人から「成年後見しかない」と聞いて申立てを行いました。第三者の司法書士が後見人に選ばれ、毎月3.5万円の報酬が発生。父は95歳まで生きたため、10年間で420万円の後見人報酬がかかりました。

「申立て前に家族信託という制度を知っていれば判断が違っていた。初期費用70〜80万円がかかっても、長期では大きく節約できたはずです」と振り返ります。

成年後見が最適なケース

成年後見制度が向いている状況を確認すると、以下のケースが挙げられます。

向いているケース
すでに認知症が進んでいて家族信託の設計ができない状態
財産が少なく後見報酬が大きな負担にならない
身上監護(入院・施設入居の契約代理)が必要
相続人間でトラブルがあり第三者の管理が必要
市区町村の「首長申立て」が行われるケース(身寄りがない等)

よくある質問

親が認知症です。今からでも家族信託は間に合いますか?

軽度認知症の段階であれば、判断能力が残っている場合があります。公証人が意思確認できるレベルであれば家族信託の設計は可能です。まず専門家に判断能力の状態を確認してもらうことをおすすめします。

後見人を辞めさせることはできますか?

後見人の交代は、正当な理由(不正行為・著しい不行跡等)がある場合にのみ裁判所が認めます。「費用が高い」「別の人にしたい」という理由だけでは原則として認められません。

後見と家族信託を一緒に使えますか?

はい。家族信託で財産管理、後見(任意後見)で身上監護を担うという組み合わせが有効なケースがあります。ただし設計を専門家に相談する必要があります。

まとめ

成年後見制度について調べてみると、すでに判断能力が低下した方の財産を法的に守る仕組みとして機能している一方で、毎月の後見人報酬が長期的に大きな費用になること、不動産売却に裁判所の許可が必要なこと、相続税対策ができないことがわかります。

判断能力がある今のうちに「家族信託」や「任意後見」を検討することが、将来的に最も低コストかつ柔軟な選択肢になります。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

成年後見制度の問題は、知っているかどうかだけで、結果が大きく変わります。

難しい制度のなかで、正しい情報を手に入れることがどれほど大切か、日々の記事執筆を通じて痛感しています。

この記事が、あなたの生活を少しでも楽にするきっかけになれば嬉しいです。

これからも、あなたの生活防衛に役立つ情報を発信し続けます。

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