認知症で親の資産が凍結される?銀行口座・不動産・株式の対策と解除方法を徹底解説

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「親が認知症かもしれない」と感じたとき、多くの方が最初に頭をよぎるのは介護のことです。でも実は、それと同じくらい早く動かなければならないことがあります。それが「資産凍結」の問題です。

==知らないでいると、ある日突然、親の口座から一円も引き出せなくなります。==

介護費用の支払いも、施設への入居も、不動産の売却も、すべてが止まる。そんな状況が、認知症の診断後にリアルに起きているのです。

この記事でわかること:

  • なぜ認知症になると資産が凍結されるのか(銀行の仕組みから解説)
  • 銀行口座だけでなく、不動産・株式・投資信託も動かせなくなる理由
  • 凍結を防ぐ3つの対策(家族信託・任意後見・成年後見)の費用と手続き
  • 凍結後の緊急対応リスト(今日からできること)


「今日から通帳が使えなくなる」── 認知症資産凍結は突然やってくる

==「口座が使えなくなる」という話は、他人ごとだと思っていました。== でも実際に起きています。

Aさん(65歳・埼玉県)は、母親が認知症と診断された翌月、母名義の定期預金を解約しようとして銀行の窓口で断られました。理由は「本人確認ができない」というひと言。代理人として来ていたAさんには、何の権限もなかったのです。

そこから家族信託の手続きに入るまでに約4か月かかりました。その間、母親の介護費用の一部をAさん自身が立て替え続けることになりました。

「もっと早く知っていれば」という後悔を、何度も聞いています。


なぜ認知症になると資産が凍結されるのか

銀行口座が凍結される仕組み

銀行口座は、本人が意思を持って操作することを前提にしています。認知症によって判断能力が低下したと銀行が判断した場合、本人による取引を制限する対応をとります。

重要なのは、凍結のタイミングが「診断書の日付」ではないという点です。銀行が「判断能力に疑問がある」と判断した瞬間から、取引制限は始まります。

金融機関によっても異なりますが、以下のようなケースで取引が制限されることがあります。

きっかけ 内容
窓口での言動 担当者が「認知症の疑いあり」と判断した場合
家族からの申し出 家族が「認知症です」と銀行に伝えた場合
診断書の提示 医師の診断書が提出された場合
不審な取引 高額の引き出しや同じ操作の繰り返し

つまり、診断書がなくても凍結が始まることがあります。逆に診断書があっても、すぐに凍結されないケースもある。判断は銀行側にあります。

不動産・株式・投資信託も動かせなくなる

認知症による財産凍結は、銀行口座だけではありません。

不動産については、売却・賃貸・大規模修繕などの契約行為に「本人の意思確認」が必要です。認知症によって判断能力がないと判断されれば、司法書士や不動産会社が取引を断ります。空き家の維持管理費が膨らんでいても、売ることができない状態になります。

株式・投資信託については、証券会社が取引停止の措置をとるケースがあります。特にネット証券では本人認証ができないため、運用もできず、売却もできない状態になります。

資産の種類 凍結後にできなくなること
銀行口座 引き出し・解約・定期の更新
不動産 売却・賃貸・大規模修繕の契約
株式・投資信託 売却・新規購入・運用指示
生命保険 解約・受取人変更


資産凍結されるとどうなるか──具体的な影響

介護費・医療費が払えなくなる

在宅介護であれば、ヘルパー代・デイサービス代・医療費・薬代……月に数万円から十数万円が必要です。施設への入居となれば、入居一時金だけで数十万〜数百万円かかる場合もあります。

これらを親本人の口座から払えなくなると、子どもが自腹で立て替えることになります。 数か月続けば、立替総額は数十万円になることも珍しくありません。

不動産を売れなくなる(空き家問題)

高齢の親が施設に入ると、実家が空き家になります。固定資産税・管理費・修繕費がかかり続ける中、「売りたくても売れない」状態が続きます。

老朽化が進めば建物の価値は下がり、解体費が売却価格を上回ることにもなります。

相続税対策が途中で止まる

生前贈与や暦年贈与などの相続税対策は、本人に判断能力があることが前提です。認知症の診断後に行われた贈与は、「意思能力なし」として無効と判断されるリスクがあります。

計画していた相続対策がすべて白紙に戻る可能性があります。 特に毎年110万円の暦年贈与を続けていた家族は要注意です。


資産凍結前にできる3つの対策

家族信託(最も柔軟・今すぐできる)

家族信託とは、財産の管理・運用・処分を信頼できる家族に委ねる仕組みです。信託契約を結んだ時点で、親(委託者)の財産管理権を受託者(子どもなど)に移すことができます。

最大のメリットは、認知症になった後も受託者が柔軟に財産を動かせる点です。銀行口座の管理、不動産の売却、介護費の支払いをすべて受託者が行えます。

費用の目安:

項目 概算費用
司法書士への依頼費用 20〜60万円(複雑なケースは60〜80万円)
公正証書作成費用 5〜10万円
不動産登記費用(登録免許税+司法書士報酬) 10〜30万円
合計(公正証書・登記・設計費すべて込み) 40〜90万円(複雑なケースは90〜120万円)

金額だけ見ると高く感じるかもしれません。しかし、凍結後の成年後見制度と比べると、トータルコストで大幅に安く抑えられるケースが多いです。

任意後見制度(判断力がある今のうちに準備する)

任意後見制度は、本人が判断能力のある間に、将来の後見人を自分で選んでおく制度です。公正証書で契約し、認知症が進んだ段階で家庭裁判所に申し立てて発効します。

注意点は、実際に発効するまでに時間がかかることです。申し立てから発効まで数か月を要する場合があり、その間は財産凍結が続く可能性があります。

費用の目安:

項目 概算費用
契約書作成(公正証書) 3〜5万円
発効後の後見人報酬(月額) 1〜3万円(財産額によって増減)

成年後見制度(すでに認知症が進んでいる場合)

判断能力が低下した後に利用できる制度です。家庭裁判所が後見人を選任し、本人の財産を管理します。

デメリットは柔軟性の低さとコストです。後見人報酬は毎月発生し、終身続きます。財産管理は裁判所の監督下に置かれるため、相続対策や積極的な運用はできません。

また、家族が後見人に選ばれないケースも多く(第三者の専門家が就任)、家族の意向が通りにくいという点も現実です。 専門家後見人への報酬は、本人が亡くなるまで毎月発生し続けます。


【比較表】3制度の費用・手続き・向いている状況

家族信託 任意後見 成年後見
開始時期 今すぐ(判断力あり) 今すぐ契約・将来発効 判断力低下後に申立て
選ぶのは誰 本人 本人 裁判所
柔軟性 ◎(売却・賃貸・運用可) ○(範囲は契約による) △(裁判所の監督あり)
費用(初期) 50〜120万円 3〜5万円 申立費用1〜10万円
費用(継続) 原則なし 月1〜3万円(発効後) 月2〜6万円(永続)
相続税対策 ◎可能 △制限あり ✗ほぼ不可
向いている人 不動産がある・相続対策を続けたい 後見人を自分で決めたい 今すぐ凍結解除が必要


【事例】田中さん(67歳)が家族信託を選んだ理由

田中さん(67歳・神奈川県)の父親(91歳)が、軽度認知症と診断されました。

父親名義の自宅(評価額2,400万円)と、定期預金(約800万円)があります。

最初、田中さんは成年後見制度を検討しましたが、専門家に相談して考えが変わりました。

「成年後見だと、不動産を売る許可が下りるまで時間がかかると言われました。父が施設に入ったとき、実家をすぐ売って施設費に充てたいと思っていたのに、それができないかもしれないと聞いてびっくりしました。」

最終的に家族信託を選び、田中さんが受託者として登記を完了。費用は司法書士への報酬・公正証書・不動産登記を合わせて約85万円でした。

「高く感じたけど、毎月の後見報酬がないので10年計算では断然安い。それより、いざというとき自分が動けることの安心感が大きかったです。」


凍結後の緊急対応──今すぐできることリスト

万が一、すでに凍結されてしまった場合や、判断力低下が進んでいる場合の対応です。

少額の生活費をどう確保するか

  • 各金融機関の「少額引き出し対応」を確認する:一部の金融機関では、介護費用目的に限り少額の引き出しに応じる窓口対応をしているケースがあります。まず支店に相談してみてください。
  • 家族間での一時立替を記録する:領収書・振込履歴・家族会議の記録を残すことで、後日の精算トラブルを防げます。

家庭裁判所への成年後見申立てを急ぐ

凍結が起きてしまった後の唯一の公的手段は成年後見制度の申立てです。申立てから審判まで通常2〜4か月かかりますが、「保全措置」が認められれば暫定的な対応が可能です。

手順 内容 目安期間
書類準備 医師の診断書・財産目録など 1〜2週間
申立て 家庭裁判所へ申立書を提出 即日〜数日
審判 調査・照会・審理 2〜4か月
後見開始 後見人が財産管理を開始 審判後すぐ

よくある質問

認知症の診断がなくても凍結されることはある?

あります。銀行窓口での言動から「判断能力に疑問あり」と担当者が判断した場合、診断書がなくても取引制限が入ることがあります。「まだ軽度だから大丈夫」という思い込みは危険です。

認知症が進んでから家族信託はできるか?

認知症と診断されても、軽度の段階であれば内容を理解し合意できると公証人が判断した場合、家族信託の公正証書作成が可能な場合があります。 しかし認知症が進行して意思確認が困難になると、公証人が公正証書作成を認めないことが一般的です。動けるタイミングは確実に縮まっていきます。 「まだ軽度だから大丈夫」という認識が、最も危険です。

家族信託を作っても税金は変わらない?

家族信託では財産の所有権は委託者から受託者に移転します。ただしこれは「信託設定」であり、原則として贈与税は発生しません。ただし受益者の設定によっては税務上贈与に該当するケースもあるため、税理士への確認をおすすめします。相続発生時の手続きが大幅に簡略化され、争族リスクを下げる効果は変わりません。

認知症の親の口座から子が引き出すのは違法か?

委任状や家族信託なしに、子が親名義口座から無断で引き出すことは、横領・不正引き出しとみなされる可能性があります。親族間でも法的リスクがあることを認識してください。


まとめ

認知症による資産凍結は、「知っているか・いないか」だけで、対応できるかどうかが変わります。

早めに動いた家族は、家族信託で財産管理の主導権を持ち、介護費・施設費・不動産処分もスムーズに対応できています。 何も準備しないまま診断を受けた家族は、毎月の立替と裁判所手続きに追われる状況になっています。

動けるタイミングは限られています。「まだ大丈夫」と感じているうちに、一度専門家に相談することをおすすめします。

今日この記事を読んだことを、動くきっかけにしてください。

専門家への相談は、早ければ早いほど選択肢が広がります。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

資産凍結の問題は、知っているかどうかだけで、結果が大きく変わります。

難しい制度のなかで、正しい情報を手に入れることがどれほど大切か、日々の記事執筆を通じて痛感しています。

この記事が、あなたの生活を少しでも楽にするきっかけになれば嬉しいです。

これからも、あなたの生活防衛に役立つ情報を発信し続けます。


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