「夫婦で一緒に老人ホームに入りたい。でも2人部屋はあるの?費用はいくらかかるの?」そんな疑問を持つ方が増えています。

子どもの手を借りずに夫婦で入居できる施設を探しているけれど、情報が少なくて困っている、という声をよく聞きます。実は、2人部屋がある老人ホームは存在しますが、施設の種類や費用は大きく異なります。
この記事では、2人部屋がある施設の種類・費用の目安・1人部屋2室との費用比較・夫婦入居の条件を詳しく解説します。施設選びの判断基準が整理できる内容です。
老人ホームに2人部屋はあるのか
結論から言うと、2人部屋がある老人ホームは存在しますが、施設の種類によって対応状況は大きく異なります。
近年は個室化が進んでいるため、新設される施設のほとんどは個室(1人部屋)が中心です。2人部屋は以前からある施設や、夫婦入居を特徴として打ち出している施設に多く見られます。
夫婦での入居を希望する場合は、「夫婦入居対応」「2人部屋あり」と明記している施設を探すか、施設相談員に事前確認するのが確実です。
2人部屋がある施設の種類と費用の目安
2人部屋がある主な施設の種類と費用の目安は以下のとおりです。なお、費用は施設の立地・設備・サービス内容によって大きく変動します。
| 施設の種類 | 2人部屋の有無 | 月額費用の目安(1人あたり) | 2人合計の目安 | 入居一時金 |
| 介護付き有料老人ホーム | あり(施設による) | 14〜18万円程度 | 約28〜36万円程度 | 0〜数百万円 |
| 住宅型有料老人ホーム | あり(施設による) | 14〜17万円程度 | 約28〜34万円程度 | 0〜数百万円 |
| サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) | あり(夫婦向け2LDK等) | 10〜25万円程度※介護料別 | 約20〜50万円程度 | 0〜数十万円 |
| 特別養護老人ホーム(特養) | 相部屋中心・夫婦専用室は稀 | 6〜15万円程度 | 約12〜30万円程度 | 原則なし |
| グループホーム | 原則1人部屋(認知症対応専門) | 15〜25万円程度(1人) | 2人部屋は原則なし | 0〜数十万円 |
※上記は全国平均の参考値です。都市部では月額45万円前後、地方では20万円弱になるケースもあり、地域差が非常に大きいのでご注意ください。サ高住は住居費・管理費のみの金額で、介護サービス利用料は別途かかります。
介護付き有料老人ホーム
介護スタッフが24時間常駐しており、要介護の方でも安心して入居できます。夫婦向けの広めの2人部屋を設けている施設も増えています。費用は高めですが、サービスが充実しています。
月額費用は1人あたり14〜18万円程度(全国平均)が参考値で、2人合計では約28〜36万円程度になります。ただし都市部では1人45万円前後、地方では20万円を下回るケースもあり、地域差が大きいです。入居一時金は0円(月払い型)から数百万円まで幅があります。
住宅型有料老人ホーム
介護サービスを外部から利用する形式で、要介護度が低い夫婦に向いています。設備・立地によって費用差が大きく、月額は1人あたり14〜17万円程度(全国平均)が目安で、2人合計では28〜34万円程度になります。要介護度が上がると外部介護費用が加算されます。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
夫婦向けの1LDK・2LDKタイプがある物件もあり、自立〜軽度要介護の夫婦に選ばれています。一般の賃貸マンションに近い生活スタイルを保ちながら、安否確認・生活相談サービスが受けられます。月額費用(住居費・管理費)は1人あたり10〜25万円程度ですが、介護サービス利用料は別途かかる点に注意が必要です。
2人部屋と1人部屋2室の費用比較

2人部屋と1人部屋×2室の費用を比較してみましょう。
| 比較項目 | 2人部屋 | 1人部屋×2室 |
| 月額居室料(参考値) | 8〜15万円程度 | 16〜30万円程度(各8〜15万円×2) |
| 共用スペースの使いやすさ | 共有しやすい | 動線が離れることも |
| プライバシー | やや低い | 高い |
| 片方が先に退去した場合 | 1室に変更が必要なことも | もう1室はそのまま継続可能 |
月額の居室料だけで比較すると、2人部屋の方が安くなるケースが多いです。ただし、施設によっては1人部屋2室のセット料金割引があるケースもあるため、必ず見積もりを取って比較してください。
夫婦で同じ施設に入るための条件
夫婦で同じ施設に入れるかどうかは、以下の条件によって変わります。
要介護度の条件
施設の種類によって、入居できる要介護度の範囲が異なります。
| 施設の種類 | 入居できる要介護度 |
| 介護付き有料老人ホーム | 自立〜要介護5(施設による) |
| 住宅型有料老人ホーム | 自立〜要介護(施設による) |
| サ高住 | 自立〜軽度要介護が中心 |
| 特養 | 原則 要介護3以上 |
夫婦で要介護度が異なる場合、どちらか一方が施設の入居条件を満たさないケースがあります。「自立〜要介護5まで対応」という幅広い施設を探すことが、夫婦同入居のカギです。
認知症の有無
片方に認知症がある場合、グループホームは認知症専門施設のため対応できますが、もう一方は入居条件を満たさないことがあります。介護付き有料老人ホームは認知症・非認知症を問わず受け入れている施設が多いため選択肢が広がります。
片方が先に亡くなった場合
2人部屋に1人になった場合、施設のルールによって対応が異なります。「1人でも継続入居できる」施設もあれば、「個室への移動が必要」な施設もあります。契約前に必ず確認しておくべき重要ポイントです。
2人部屋のメリット・デメリット
2人部屋のメリット
- 夫婦が同じ空間で過ごせる:慣れた相手とともに生活できる安心感がある
- 費用が1人部屋×2室より安くなることが多い:居室料の節約になる
- お互いの様子をすぐに確認できる:片方の体調変化に気づきやすい
2人部屋のデメリット
- プライバシーが確保しにくい:個人の時間や空間が限られる
- 片方の生活リズムが影響する:就寝時間・食事ペースの違いがストレスになることも
- 片方が亡くなった後の対応が必要:1人になった後の居室変更・費用変更の問題が生じる
- 選べる施設数が限られる:2人部屋対応施設は個室中心の施設より少ない

施設を選ぶときの3つのポイント
ポイント①:「夫婦入居対応」を明記している施設を優先する
施設の公式サイトやパンフレットに「夫婦入居歓迎」「2人部屋あり」と明記している施設は、受け入れ体制が整っています。明記のない施設は問い合わせて確認が必要です。
ポイント②:要介護度の変化に対応できる施設を選ぶ
今は自立・軽度でも、将来的に要介護度が上がった場合に同じ施設で対応できるかを確認してください。「施設内での介護体制が変わっても継続入居できる」施設が安心です。
ポイント③:片方が退去・逝去した際のルールを事前確認する
片方が亡くなった後、もう一方が2人部屋に1人で住み続けられるか、個室に移る必要があるか、その際の費用変更はどうなるかを事前に確認しておくことが重要です。
【事例】田中さん夫婦(76歳・72歳・埼玉県)が2人部屋を選んだ話
田中さん(76歳・要介護1)と妻の幸子さん(72歳・自立)は、子どもが遠方に住んでいるため、夫婦2人で老人ホームへの入居を検討し始めました。
最初に調べたのは特養でしたが、田中さんの要介護度1では原則入居できないことがわかりました。次に2人別々の部屋を探しましたが、1人部屋を2室借りると月額費用が想定より高くなることが判明。施設相談員に相談したところ、「2人部屋がある介護付き有料老人ホーム」を紹介してもらいました。
見学した施設では夫婦向けの広めの2人部屋があり、月額費用は2人合計で約38万円。1人部屋2室の場合の42万円と比べて月4万円の節約になりました。「将来、どちらかの要介護度が上がっても同じ施設で対応できる」という説明が決め手になり、入居を決定しました。
田中さん夫婦が得た教訓は「施設相談員に夫婦の状況を最初から全部話す」こと。要介護度・認知症の有無・将来の不安を正直に伝えることで、合った施設を絞り込んでもらえたと話しています。
よくある質問
Q. 夫婦どちらかが認知症になったら同じ施設にいられますか?
施設によって対応が異なります。認知症の進行度にもよりますが、介護付き有料老人ホームの多くは認知症に対応しています。一方、グループホームは認知症専門施設のため認知症でない方は入居できません。入居前に認知症への対応方針を確認してください。
Q. 2人部屋の場合、介護サービスはそれぞれに提供されますか?
はい、介護サービスはお一人おひとりに提供されます。部屋を共有していても、ケアプランは個別に作成されます。介護付き有料老人ホームでは要介護度に応じた介護保険の自己負担額がそれぞれにかかります。
Q. 特養に夫婦で入る方法はありますか?
特養は原則として要介護3以上の方が対象です。夫婦ともに要介護3以上であれば、同じ特養への入居申込は可能ですが、2人部屋(夫婦専用室)は少なく、相部屋や個室での入居になるケースが多いです。また、特養は入居待ちが多いため希望通りにならないことも多い点は注意が必要です。
Q. 入居後に夫婦別の施設に転居することはできますか?
可能です。健康状態や要介護度の変化によって施設を変わることはできます。ただし、施設によっては退去時の費用精算ルールがあるため、入居契約前に退去・転居に関する規定を確認してください。
まとめ
老人ホームの2人部屋は、介護付き有料老人ホームや住宅型有料老人ホームを中心に選択肢があります。費用は施設によって大きく異なりますが、1人部屋2室より2人部屋の方が月額で安くなるケースが多いです。
夫婦で入居する際のポイントは、①要介護度の幅が広い施設を選ぶ、②片方が亡くなった後のルールを事前確認する、③施設相談員に夫婦の状況を全部伝えて一緒に探してもらうの3点です。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
老人ホーム選びは、知っているかどうかだけで、結果が大きく変わります。
難しい選択のなかで、正しい情報を手に入れることがどれほど大切か、日々の記事執筆を通じて痛感しています。
この記事が、あなたの生活を少しでも楽にするきっかけになれば嬉しいです。
これからも、あなたの生活防衛に役立つ情報を発信し続けます。
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