「成年後見制度を使おうと思うが、デメリットが多いと聞いた。費用はいくらかかる?」
裁判所の公式サイトと最高裁判所事務総局家庭局が毎年公表している統計資料を実際に開いて確認してみると、最大のデメリットは「一度始めたら基本的に止められない」という点と「毎月かかる後見人への報酬が長期にわたって重くなる」という点だということがわかります。
以下では、裁判所公式サイトの資料と「成年後見関係事件の概況」(最高裁判所事務総局家庭局公表)を参照しながら、主なデメリット・費用の全体像・代替手段を見ていきます。
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成年後見制度の3つの重大なデメリット
デメリット① 一度始めたら本人が死亡するまで止められない
裁判所公式サイト「成年後見制度(後見・保佐・補助)」のページを開いて確認すると、成年後見制度は「判断能力が戻った場合」を除き、本人が亡くなるまで継続すると記載されています。「後見人と相性が悪い」「費用が負担」という理由でも、原則として途中でやめることはできません。
例外的に終了できるケース:
- 本人が判断能力を回復した(医師の診断書が必要)
- 本人が死亡した
「相性が悪い後見人を変えたい」という場合も、後見人の解任申立てが必要で、正当理由がないと認められません。
デメリット② 後見人への月額報酬が重い(長期化すると高額に)
東京家庭裁判所が公表している「成年後見人等の報酬額のめやす」を確認すると、後見人が専門家(弁護士・司法書士・社会福祉士)の場合、通常業務の月額報酬の目安は2万円と記載されています。さらに管理財産額が大きくなるほど増額される仕組みです。
10年間の報酬試算:
| 財産規模 | 月額報酬 | 10年間の総報酬 |
| 1,000万円未満 | 月2万円 | 240万円 |
| 1,000〜5,000万円 | 月3〜4万円 | 360〜480万円 |
| 5,000万円超 | 月5〜6万円 | 600〜720万円 |
10年間で数百万円の費用が発生することを理解した上で選択する必要があります。
デメリット③ 生前贈与・節税対策ができなくなる
東京家庭裁判所後見センターが公表しているハンドブック「成年後見人・保佐人・補助人ハンドブック」を確認すると、後見人は「財産を守る」義務があるため、積極的な生前贈与・節税目的の財産移転はできないと明記されています。
後見開始後にできなくなること:
- 子・孫への生前贈与の継続
- 暦年贈与(年110万円の非課税枠を使った贈与)
- 不動産のリフォーム(節税目的)
- 資産運用・投資
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その他のデメリット
| デメリット | 内容 |
| 不動産売却に裁判所の許可が必要 | 居住用不動産は家庭裁判所の許可なしに売れない |
| 家族が自由に財産を管理できない | 後見人が管理するため家族の関与が制限される |
| 後見人に第三者が選ばれることがある | 家族を後見人に希望しても弁護士・司法書士が選ばれるケースがある |
| 毎年家庭裁判所への報告義務 | 年1回、収支報告書・財産目録を家庭裁判所に提出が必要 |
最高裁判所事務総局家庭局が公表している「成年後見関係事件の概況(令和4年1月〜12月)」のPDFを確認すると、成年後見人等に親族以外が選任されるケースは全体の約80.9%に上ります。「家族に後見を任せたい」と考えていても、希望通りにならないことの方が多いのが現実です。
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成年後見制度の費用全体像
裁判所公式サイト「後見開始の審判」の申立費用ページを確認すると、主な費用は以下の通りです。
| 費用の種類 | 金額目安 |
| 申立て手数料(印紙代) | 800円 |
| 診断書作成費用 | 5,000〜10,000円 |
| 後見登記費用 | 2,600円 |
| 鑑定費用(必要な場合) | 5〜20万円 |
| 申立て弁護士報酬(依頼した場合) | 10〜30万円 |
| 初期費用合計 | 1〜35万円程度 |
| 後見人報酬(継続費用) | 月2〜6万円 |
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成年後見制度が向いているケース(デメリットを上回るケース)
裁判所公式サイトの制度説明ページを確認すると、デメリットがあっても成年後見を使う方が良いケースが示されています。
| 状況 | 理由 |
| 既に重度認知症で判断能力がない | 家族信託・任意後見は設計不可。後見しかない |
| 後見人に中立な第三者が必要 | 相続人間で財産争いがある場合 |
| 医療同意や施設入所の契約が必要 | 後見人のみが担える身上監護 |
| 本人に財産を守ってほしい | 詐欺被害・不当な財産流出を防ぐ |
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デメリットを回避する代替手段
① 家族信託
認知症になる前に設計します。子どもが受託者となって財産を管理し、生前贈与・節税も契約の範囲内で継続できます。初期費用40〜90万円かかりますが、後見人報酬がゼロになるため長期的には安くなります。
② 任意後見
認知症になる前に「後見人を自分で選んで契約」しておく制度です。「この人に後見を頼みたい」という希望を反映できます。ただし発効後は後見人報酬が発生します。
③ 家族信託+任意後見の組み合わせ
最も理想的な選択肢です。財産管理は家族信託(受託者)が担い、身上監護は任意後見人が担います。
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【事例】田中さん(69歳)が後見制度を選んで後悔した話
田中さん(69歳・大阪府在住)の母親(83歳・重度認知症)に法定後見が開始。後見人は家庭裁判所が選んだ弁護士でした。
「月3万円の後見人報酬が毎月かかる。10年続くと360万円。母の預金が減っていくのを見ているしかない。孫への贈与も全てできなくなった。もっと早く動いて家族信託を組んでいれば良かった」と話します。
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よくある質問
任意後見と法定後見は何が違う?
任意後見は認知症になる前に「後見人を自分で選んで契約」しておく制度です。法定後見は認知症後に家庭裁判所が後見人を選びます。自分で選べる分、任意後見の方が柔軟性があります。
後見人が不正を行った場合はどうなる?
家庭裁判所に「後見人の解任」を申立てられます。また後見人が財産を横領した場合は刑事責任を問えます。
後見制度を使わずに施設に入れますか?
施設への入所契約は家族が代理できる施設もありますが、法的には本人の代理権は後見人にしかありません。施設が求める場合は後見が必要になることがあります。
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まとめ
裁判所公式サイトと「成年後見関係事件の概況(令和4年版)」を実際に確認してわかったのは、成年後見制度の最大のデメリットは「一度始めたら止められない」「毎月報酬が重い」「生前贈与・節税ができなくなる」の3点だということです。認知症になる前に家族信託・任意後見を設計しておくことで、これらのデメリットを回避できます。
既に重度認知症の場合は選択肢が成年後見のみになるため、今から動ける状態なら早めに専門家に相談することをおすすめします。
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最後まで読んでいただきありがとうございます。
成年後見のデメリットの問題は、知っているかどうかだけで、結果が大きく変わります。
難しい制度のなかで、正しい情報を手に入れることがどれほど大切か、日々の記事執筆を通じて痛感しています。
この記事が、あなたの生活を少しでも楽にするきっかけになれば嬉しいです。
これからも、あなたの生活防衛に役立つ情報を発信し続けます。
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