デイサービスの費用はいくら?要介護度別の自己負担と月額シミュレーションを調べました

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*著者:内野 裕士(44歳)/更新:2026年9月*


「デイサービスは介護保険が使えるから安い」と思っていませんか?

わたしも、そう思っていた一人です。

義父(84歳・認知症・要介護2)のデイサービス利用が始まった最初の月、届いた請求書を見て正直驚きました。「え、食費ってこんなにかかるの?」。介護保険の自己負担だけを見ていたわたしには、食費・おやつ代・入浴料といった「実費」の存在が完全に頭から抜けていたのです。

義父のケースでは、週2回の利用で1回あたりの自己負担(1割)が約800〜1,200円。食費や加算を含めると月の支払いは1万3,000〜1万5,000円程度になりました。

「安い」と聞いていたのに、最初の請求書を見て驚いた理由がわかったという経験から、この記事を書いています。

「いくらかかるか」「なぜその金額なのか」「どうすれば費用を抑えられるか」を、厚生労働省の一次資料をもとに調べ、わかりやすく整理しました。介護費用の全体像をつかんで、安心して準備を進めていただければと思います。


デイサービスの費用が「わかりにくい」のには構造上の理由があります

正直に言うと、デイサービスの費用が「わかりにくい」のは、費用の構造そのものに原因があります。

費用は大きく2つに分かれています。

①介護保険サービス費(自己負担分):要介護度と利用時間に応じた単位数×地域単価×負担割合で決まります。「1割負担」という言葉はここだけを指しています。

②実費(保険対象外):食費・おやつ代・入浴料・日用品費など。事業所が独自に設定する費用で、保険の対象外です。

この2つが合算された金額が毎月請求されるため、「介護保険で1割負担だから安い」という情報だけを見ていると、実際の支払い総額と大きなギャップが生じます。

しかも介護保険サービス費は、事業所が取得している「加算」によっても変わります。個別機能訓練加算・認知症加算・処遇改善加算など加算項目は10種類以上あり、同じ要介護度・同じ利用時間でも、事業所によって1回あたり数百円の差が生じます。

「デイサービスの費用は一概にいくらとは言えない」と言われる最大の理由が、この構造にあります。


要介護度別の基本料金:1回あたりの自己負担額一覧

デイサービス(通所介護)の基本料金は、要介護度と利用時間によって決まります。

介護保険では「単位数」で費用が定められており、1単位あたりの金額は地域ごとに異なります。2024年度の報酬改定後、標準地域では1単位=10〜11円程度です。

以下は、厚生労働省の介護報酬告示に基づく、7〜8時間未満(標準的な通所介護)の1回あたり基本費用の目安です。1単位=10円、1割負担・2割負担それぞれで計算しています。

表1:要介護度別 通所介護の1回あたり自己負担額の目安(7〜8時間未満)

要介護度 基本単位数(1回) 基本費用(10円/単位) 1割負担 2割負担
要支援1 372単位 3,720円 372円 744円
要支援2 427単位 4,270円 427円 854円
要介護1 656単位 6,560円 656円 1,312円
要介護2 775単位 7,750円 775円 1,550円
要介護3 898単位 8,980円 898円 1,796円
要介護4 1,021単位 10,210円 1,021円 2,042円
要介護5 1,144単位 11,440円 1,144円 2,288円

※出典:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定について」

義父(要介護2・1割負担)の場合、基本部分だけで1回775円ほど。この数字だけ見ると確かに「安い」と感じます。しかしこれはあくまで基本料金の1割分のみです。加算と実費がここに上乗せされます。


加算で変わる費用:主な加算項目と金額の目安

事業所が取得している加算によって、基本料金に上乗せされる費用が変わります。加算は国が定めた基準を満たした事業所が申請するもので、利用者の負担にも反映されます。

表2:通所介護の主な加算項目と1回あたり金額目安(1割負担)

加算項目 1回あたり目安(1割) 主な対象・条件
個別機能訓練加算Ⅰb 約56円 機能訓練指導員が個別計画を作成
認知症加算 約60円 認知症と診断された利用者
入浴介助加算Ⅰ 約55円 入浴サービスを提供する事業所
科学的介護推進体制加算 約40円 LIFEへデータ提出する事業所
口腔・栄養スクリーニング加算 約20円 口腔・栄養状態を確認
処遇改善加算(各種) 基本料の数% ほぼ全事業所が取得

義父が利用している事業所では、個別機能訓練加算・認知症加算・入浴介助加算が適用されており、保険分の自己負担だけで1回あたり約1,050〜1,100円になっています。基本料775円に約300円の加算が上乗せされている計算です。


食費・入浴料などの「実費」が別途かかる

介護保険の自己負担とは別に、以下の費用が実費でかかります。金額は事業所によって異なりますが、目安として把握しておきましょう。

  • 食費(昼食):400〜800円程度(1食あたり)
  • おやつ代:100〜200円程度
  • 入浴料:入浴介助加算とは別に実費を設定する事業所もある(0〜200円程度)
  • 日用品費(おむつ等):持参の場合は0円

例えば昼食500円・おやつ100円とすると、1回600円の実費が加わります。週2回・月8回の利用で計算すると、食費・おやつ代だけで月4,800円です。

この実費が「最初の請求書で驚いた」主な原因でした。


月額費用のシミュレーション:週1〜週5別の目安金額

実際に月あたりいくらかかるかを、利用頻度別にまとめます。

以下は、要介護2・1割負担・7〜8時間利用・加算込み保険自己負担1,100円/回・食費600円/回(昼食500円+おやつ100円)として試算した目安です。

表3:利用頻度別 月額費用シミュレーション(要介護2・1割負担)

利用頻度 月利用回数 保険自己負担(加算込) 食費・実費 月額合計目安
週1回 4〜5回 4,400〜5,500円 2,400〜3,000円 約6,800〜8,500円
週2回 8〜9回 8,800〜9,900円 4,800〜5,400円 約1万3,600〜1万5,300円
週3回 12〜13回 1万3,200〜1万4,300円 7,200〜7,800円 約2万400〜2万2,100円
週5回 20〜22回 2万2,000〜2万4,200円 1万2,000〜1万3,200円 約3万4,000〜3万7,400円

週2回で月1万3,000〜1万5,000円というのが、多くの方が感じるデイサービスの費用感です。

義父は週2回・要介護2・1割負担で、保険自己負担が月約8,800円(1,100円×8回)、食費等実費が月約4,800円(600円×8回)で、月額合計は1万3,600円前後に落ち着いています。


自己負担が2割・3割になるケースも

「1割負担」と書かれた記事が多いですが、所得に応じて負担割合が変わります。

  • 1割負担:原則(一定所得以下の方)
  • 2割負担:一定以上の所得がある方(単身で年金収入等280万円以上が目安)
  • 3割負担:現役並み所得がある方(単身で年金収入等340万円以上が目安)

2割・3割負担になると、同じサービスでも自己負担が2〜3倍になります。要介護2・週2回の場合、1割負担なら月の保険自己負担が約8,800円程度のところ、2割負担では約1万7,600円、3割負担では約2万6,400円になります。

負担割合は利用する本人の所得で判定され、介護する子の収入は関係ありません。負担割合は「介護保険負担割合証」(水色のカード)に記載されており、毎年8月1日に更新されます。

※参考:厚生労働省「介護保険の利用者負担について」


仮説事例:田中よし子さん(67歳)の場合

義父の事例だけでなく、もう少し若い年齢層のケースも見てみましょう。

田中よし子さん(67歳・要介護1・一人暮らし・2割負担)の場合

夫を2年前に亡くし、息子夫婦は別の県に住んでいます。軽度の認知症があり、週3回のデイサービスを利用中です。年金収入が月16万円あるため、負担割合は2割です。

費用項目 1回あたり 月12回(週3回)の合計
保険自己負担(基本+加算・2割) 約1,420円 約1万7,040円
食費(昼食+おやつ) 600円 7,200円
日用品・その他 約100円 約1,200円
月額合計 — 約2万5,440円

月2万5,000円は、よし子さんの年金収入(月16万円)の約16%に相当します。「もう少し頻度を減らそうか」と悩んでいたそうです。

ところがケアマネジャーに相談したところ、「高額介護サービス費制度」の存在を教えてもらいました。よし子さんの場合、住民税非課税世帯に該当するため、月の介護保険自己負担上限が1万5,000円に設定されています。

保険分の自己負担(1万7,040円)が上限を超えた2,040円が毎月払い戻され、実質的な月額負担は約2万3,400円(実費込み)に軽減されました。

「制度を知っているかどうかで、1年間に約2万4,000円の差が生まれていた」とよし子さんは話しています。申請は一度すれば翌月からは自動的に払い戻されます。


デイサービスの費用を抑える5つのアクションステップ

ステップ1:介護保険負担割合証を確認する

手元の「介護保険負担割合証」(水色のカード)で、1割・2割・3割のどれが適用されているかを確認してください。毎年8月1日に更新されるため、古いものを参照しないよう注意が必要です。

負担割合が想定より高い場合、後述の高額介護サービス費制度が特に重要になります。

ステップ2:高額介護サービス費制度を申請する

月の介護保険自己負担が一定額を超えた分が払い戻される制度です。上限額は所得区分によって異なります。

表4:高額介護サービス費の月額自己負担上限(2024年度)

所得区分 月額上限 主な対象
現役並み所得(3割) 44,400円 高額所得者
一般(2割・一定所得) 44,400円 2割負担の方(一般)
住民税世帯課税(低所得2) 24,600円 住民税非課税世帯(年金80万円超)
世帯全員住民税非課税(低所得1) 15,000円 年金80万円以下等

申請は市区町村の介護保険担当窓口で行います。一度申請すれば以降は自動的に払い戻され、初回申請時に遡及して戻ってくる場合もあります。

※参考:厚生労働省「高額介護サービス費の支給」

ステップ3:複数の事業所の費用を比較する

同じ要介護度・同じ利用時間でも、事業所によって加算の内容が異なるため、月額費用に数千円の差が生じることがあります。

事業所の「重要事項説明書」には加算の内容と金額が記載されています。担当ケアマネジャーに「近隣事業所の費用比較表を作ってほしい」と依頼するのが最も効率的です。加算が多い事業所はサービスの質が高い場合もあるため、費用だけでなくサービス内容とのバランスで判断することが重要です。

ステップ4:食費の実費を事前に確認する

食費は事業所によって大きく異なります(昼食代だけで400〜800円の幅があります)。利用を開始する前に必ず「1回あたりの実費合計」を確認し、月額の概算を把握しておきましょう。

また、体調不良や通院でキャンセルした場合の食費の扱いも事前に確認しておくと、想定外の出費を防げます。

ステップ5:地域包括支援センターや相談サービスを活用する

費用や事業所選びについて迷ったときは、以下の窓口が無料で相談に対応しています。

  • 担当ケアマネジャー:費用軽減制度の把握・事業所比較の依頼先として最適
  • 地域包括支援センター:制度全般の相談・ケアマネジャーがいない場合の最初の窓口
  • 市区町村介護保険担当窓口:高額介護サービス費の申請・負担割合の確認

「いい介護」のような介護相談サービスを利用すると、地域の事業所情報や費用の目安を一括で比較できます。初めてデイサービスを探す場合は、複数の選択肢を同時に確認できるため、時間と手間を大幅に節約できます。


よくある質問(FAQ)

Q1. デイサービスの費用は医療費控除の対象になりますか?

一部対象になりますが、デイサービス(通所介護)単独では原則対象外です。

医療費控除の対象となるのは「医療系サービス」を含む介護保険サービスです。訪問看護・通所リハビリ(デイケア)など医療系サービスと同一月に併用している場合は、デイサービスの費用も含めて医療費控除の対象となります。

確定申告の時期に担当ケアマネジャーへ「介護保険サービスの医療費控除証明書」の発行を依頼すると、対象・非対象が整理された書類を受け取れます。

※参考:国税庁「介護保険サービスに係る費用の医療費控除について」

Q2. 要介護度が変わると費用も変わりますか?

はい、基本的に要介護度が上がると費用も上がります。

表1のとおり、要介護度が高いほど基本単位数が増え、自己負担も増加します。例えば要介護1と要介護4では、1回あたりの基本自己負担(1割)で約365円の差があります。週2回で月8回利用した場合、月約2,900円の差になります。

一方、状態が改善して要介護度が下がることもあります。実態と認定の乖離が大きい場合は「区分変更申請」が可能です。担当ケアマネジャーに相談してみましょう。

Q3. 利用しない月も費用はかかりますか?

利用した回数分だけの費用です。 デイサービスは利用した回数に応じた費用が発生する仕組みで、月額固定制ではありません。

体調不良・入院・家族の都合でキャンセルした月は、その分の費用は発生しません。ただし、ケアプランに定めた回数を継続的に大幅下回る場合は、次回のケアプラン見直しの際に利用回数の調整が提案されることがあります。


まとめ:デイサービスの費用は「保険自己負担+加算+実費」で計算する

デイサービスの費用の要点をまとめます。

  • 基本料金の1割は実際の支払いの一部:食費・加算・入浴料等の実費が別途かかる
  • 要介護度と加算で費用は変わる:要介護2・1割負担・週2回で月1万3,000〜1万5,000円が目安
  • 高額介護サービス費制度は必ず申請:月の自己負担が上限を超えた分は払い戻される
  • 2割・3割負担の方は特に要確認:負担割合証は毎年8月に更新される

費用の把握にもっとも近道なのは、担当ケアマネジャーへの相談です。「月額の目安を教えてほしい」「複数の事業所を比較したい」と直接伝えるだけで、個別の数字が出てきます。

「安い」と聞いていたのに、最初の請求書を見て驚いた理由がわかったとわたしが感じたように、仕組みを知ってしまえば費用の全体像が見えるようになります。

見通せれば、準備できます。準備できれば、介護費用の不安は確実に小さくなります。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

デイサービスの費用の問題は、知っているかどうかだけで、結果が大きく変わります。

難しい制度のなかで、正しい情報を手に入れることがどれほど大切か、

日々の記事執筆を通じて痛感しています。

この記事が、あなたの生活を少しでも楽にするきっかけになれば嬉しいです。

これからも、あなたの生活防衛に役立つ情報を発信し続けます。


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